家庭訪問は恋の始まり
「さようなら。」

子供たちから、挨拶が返ってきて、続いて暖かい拍手を送られた。

泣き虫の私が、涙をこぼす事なく挨拶ができるなんて、自分で自分を褒めてあげたい。

私は元の席に戻り、最後の先生の挨拶を聞いた。

その後、各クラスの代表者から花束をもらう。

私が学活を終えて、校長室に行っている間に、三宅先生が決めてくださったクラス代表は、嘉人くんだった。

嘉人くんが代表に選ばれるなんて、三宅先生は、一体どんな決め方をしたんだろう?

私は、「へへっ」と照れ笑いをする嘉人くんから花束を受け取ると同時に、そのままぎゅっと嘉人くんを抱きしめた。


最後は、子供たちの作る花道を通って退場する。

今日は、昨日、卒業した6年生も来てくれている。

みんなとハイタッチをしながら、人垣を通り抜けていく。

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