家庭訪問は恋の始まり
みんなが先生を囲んで紙芝居を読んでもらっている時も、みんなでお絵かきをしている時も、みんなで歌を歌っている時も、嘉人は立ち歩いている。

先生も全く注意する事なく、嘉人のやりたいようにやらせている。

なんだろう?

俺は気になって、時間を見つけては、嘉人の保育園での様子を見るようになった。

そうして、よく分からないまま、嘉人は小学生になる。

ゴールデンウィーク直前、家庭訪問があった夜、妻が憤慨して言った。

「嘉人の担任、最低!
嘉人が障害者だっていうのよ。
ADHDとかって障害があるから、病院に行け
って。
嘉人が障害者な訳ないじゃん!」

俺は、その夜、すぐにADHDについて調べた。

嘉人の落ち着きのなさは、その特徴に当てはまる事ばかりだ。

連休明け、俺は学校に電話をした。

嘉人の事を相談しようと学校を訪問する。

そこで出会ったのが、嘉人の担任、神山夕凪先生だった。

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