家庭訪問は恋の始まり
「そうだね。
でもね、それは、礼央さんが無事だった時に
しかできないの。
分かる?
もし、礼央さんが嘉人さんのせいで一生
治らないけがをしてたり、万が一、
死んじゃったりしたら、嘉人さん、
どうやって謝るの?
嘉人さんは、一生、ごめんなさいをしたくても
できなくて、ずっと苦しい思いをしながら、
生きていく事になるんだよ。
礼央さんのお家の人は、一生、嘉人さんを
許してくれなくて、嘉人さんは、一生、
大っ嫌いって思われるんだよ。
それでもいい?」

嘉人くんは、ポロポロと涙を零しながら、また首をブンブンと横に振る。

「じゃあ、とりあえず、校長先生に何が
あったのか、お話に行こうね。
嘉人さん、いらっしゃい。」

私は、嘉人くんの手を引いて校長室へ向かう。

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