仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「あ、あの……ごめん、あとでかけ直す」
美琴は早口で言い通話を切り上げ、一希に警戒の視線を向けた。
カジュアルな白いコートに、茶系のパンツ姿。髪は無造作にまとめられているが、いつもと雰囲気が違って見えた。
(……化粧が違うのか?)
じっと見ていると、美琴の眉間にシワが寄っていく。
「なに?」
葉月慧と会話していたときの朗らかさと真逆の、張り詰めた声。
その態度に一希の苛立ちは更に募っていく。
「連絡もなくどこに行ってたんだ?」
「友達と会ってたんだけど」
「友達ではなく葉月慧だろう? 弟に会わせたのはなぜだ?」
「!……話を聞いていたの?」
美琴が不快そうに一希を睨む。
「聞くつもりは無かったが聞こえて来た」
ありのままを答える。美琴も自分の大きな声を思い出したのか少しきまずそうな顔をした。
「一希がこんなに早く帰って来るとは思わなかったから、最近は外泊続きだったし……どちらにしても私の交友関係には口出ししないでと言ったでしょう?」
「そうはいかない」
「どうして? 一希だって好き勝手してるじゃない。帰ってこない日はどうせ観原千夜子と過ごしているんでしょう?」
思わず「違う!」と声を荒げそうになったが、なんとか抑えた。
美琴は早口で言い通話を切り上げ、一希に警戒の視線を向けた。
カジュアルな白いコートに、茶系のパンツ姿。髪は無造作にまとめられているが、いつもと雰囲気が違って見えた。
(……化粧が違うのか?)
じっと見ていると、美琴の眉間にシワが寄っていく。
「なに?」
葉月慧と会話していたときの朗らかさと真逆の、張り詰めた声。
その態度に一希の苛立ちは更に募っていく。
「連絡もなくどこに行ってたんだ?」
「友達と会ってたんだけど」
「友達ではなく葉月慧だろう? 弟に会わせたのはなぜだ?」
「!……話を聞いていたの?」
美琴が不快そうに一希を睨む。
「聞くつもりは無かったが聞こえて来た」
ありのままを答える。美琴も自分の大きな声を思い出したのか少しきまずそうな顔をした。
「一希がこんなに早く帰って来るとは思わなかったから、最近は外泊続きだったし……どちらにしても私の交友関係には口出ししないでと言ったでしょう?」
「そうはいかない」
「どうして? 一希だって好き勝手してるじゃない。帰ってこない日はどうせ観原千夜子と過ごしているんでしょう?」
思わず「違う!」と声を荒げそうになったが、なんとか抑えた。