仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
言い争うこともなく穏やかに、それでいて一定の距離を置いた関係のまま別居までの日が過ぎていく。

恵美子と揉めるだろうと不安だったが、不思議なことに彼女はあっさりと美琴の話を受けれいた。

もっと金銭に執着すると思っていたので驚いた。

祖父には一希から話をした。

こちらも意外な反応だった。強く反対されるかと予想していたのに、祖父は別居ならとあっさり了承したのだ。離婚に関しては話合うことになったが、この様子では引き下がってくれそうだった。

ふたりの反応に美琴は拍子抜けした。

もともと実家の為に結婚を決意し、嫌でもやらなくてはいけないと自分に言い聞かせていた。

それなのに、必死に自分が成し遂げようとしたことは実はそれ程重要ではなかったと言われているようで、やりきれない気持ちになった。

その気持ちを訴える先もないから、なんとか折り合いをつけて現状に向き合うしかない。
離婚になっても長く暮らした鈴本家に帰ることは出来ない。

あの家にはもう美琴の居場所はないから。

一希と祖父と話し合い、別居の間、美琴はは久我山の屋敷に住むことになった。

離婚後は仕事をして自立したいと思っている。
< 285 / 341 >

この作品をシェア

pagetop