仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「一希、その事情を私にも話して欲しい」
「いや、美琴は知らない方がいい」
「どうして? 私だって全く関係ない訳じゃないでしょう?」
「この件に関しては無関係だ」
一希は美琴には話す気がないようだった。
けれど美琴自身を拒否している訳ではないのだと、今の彼からは感じることが出来た。
だから今までなら引き下がっていたところ、 でも、諦めずに追及をする。
「一希の抱える秘密に私は関係ないかもしれない。でも知りたいの。だって私と一希は夫婦なんだよ。はじまりは本当に酷いものだったけど、でも一希と一緒に食べる夕食はとても大切な時間だった。幸せだって感じた瞬間が確かに有ったの、だから簡単に引き下がれない。離婚するにしてもちゃんと別れを納得したいの」
必死に訴えれば、一希の瞳が迷うように揺れる。
「お願い、これが最後だとしても私達に起きたことが何だったかをちゃんと理解したい」
心を込めて伝えると、一希はしばらく悩んでからぽつりと言った。
「話し合いはこれで最後だ。そう納得してくれるか?」
一希の言葉に、美琴は息を呑んだ。
話す代わりに、離婚を承諾しろと言われたのだ。
頷きたくなかった。けれどそうしなければ一希は話してくれない。
ぎこちなく首を縦に振った。
「いや、美琴は知らない方がいい」
「どうして? 私だって全く関係ない訳じゃないでしょう?」
「この件に関しては無関係だ」
一希は美琴には話す気がないようだった。
けれど美琴自身を拒否している訳ではないのだと、今の彼からは感じることが出来た。
だから今までなら引き下がっていたところ、 でも、諦めずに追及をする。
「一希の抱える秘密に私は関係ないかもしれない。でも知りたいの。だって私と一希は夫婦なんだよ。はじまりは本当に酷いものだったけど、でも一希と一緒に食べる夕食はとても大切な時間だった。幸せだって感じた瞬間が確かに有ったの、だから簡単に引き下がれない。離婚するにしてもちゃんと別れを納得したいの」
必死に訴えれば、一希の瞳が迷うように揺れる。
「お願い、これが最後だとしても私達に起きたことが何だったかをちゃんと理解したい」
心を込めて伝えると、一希はしばらく悩んでからぽつりと言った。
「話し合いはこれで最後だ。そう納得してくれるか?」
一希の言葉に、美琴は息を呑んだ。
話す代わりに、離婚を承諾しろと言われたのだ。
頷きたくなかった。けれどそうしなければ一希は話してくれない。
ぎこちなく首を縦に振った。