残念な王子とお節介な姫
しばらくすると、姫はテーブルにたこ焼き器と共に、材料を並べ始めた。

「課長、たくさん焼きますから、頑張って
食べてくださいね。」

姫はそう言って、たこ焼き器に生地を流し始めた。

姫が気持ちいい手捌きで、たこ焼きを返していく。

「姫、俺もやってみていい?」

見ていると簡単そうに見える。

姫はニヤッと笑って、

「できるもんなら、どうぞ。」

と言った。

言外に「できる訳ない」という感情が表れていたので、俺はなんとしても返そうと思った。

なのに…

全然、返せない。

姫は簡単そうにやってたのに。

そうか。

キャベツの千切りと一緒だ。

結は簡単そうに小気味いい音を立てて切っていたけど、実際にやってみると、全然できなかった。

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