残念な王子とお節介な姫
「姫、ギブ!!
どうやったら、できるんだ?」

俺がそう言うと、

「課長、慌てすぎなんです。」

と姫は言って、やり方を教えてくれた。

教えてもらったところで、簡単にはできないけど、初めよりは少しマシなたこ焼きが焼けた。

「姫!
これ、上手くない?」

綺麗なまん丸に焼けたたこ焼きを見せると、

「はい、上手ですね。
課長、器用やないですか。」

と褒めてくれたから、

「じゃあ、これ、姫にやる。」

と、姫の皿に乗せてやった。

「ふふっ
ありがとうございます。」

姫が嬉しそうに一口でたこ焼きを頬張る。

それがなんだか嬉しい。

料理って、相手が美味しそうに食べてくれるだけで、嬉しくなるものなのか?

結はいつもこんな気持ちで、俺に料理を作ってくれてたのかな。

俺はちゃんと美味しいって結に伝えられてただろうか。
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