残念な王子とお節介な姫
「姫!」

武村係長が姫崎を呼ぶ。

駆け足でやってくる姿は、結を思い出させた。

「はい、何です?」

「宮本課長が、小野の仕事を引き継いで
くださるから、姫は宮本課長の指示を
聞いてな。」

「分かりました。
姫崎です。よろしくお願いします。」

姫崎は、ペコリと頭を下げる。

綺麗な顔立ちなのに、関西弁のイントネーションなのがインパクト大だ。

姫崎に進捗状況を説明させると、もうテストに入っていないといけないスケジュールなのに、作らなければいけないプログラムがまだ20本以上残っていた。

まあ、新人じゃあ、仕方ないか。

俺は姫崎の指導をしながら、仕事を進めるために、課長職の仕事は、自分の席でやり、開発は、辞めた小野の席を使う事にした。
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