残念な王子とお節介な姫
家に帰って、料理をする。

まずは、米を研ぐ。

俺は米を研いだ事もなかったんだ。

小学校の家庭科でも、オタクな俺は、積極的に参加するタイプではなくて、ただひたすらに傍観してたから。

料理ができないと言ってた姫だったが、俺に比べたら、ちゃんと料理できてた。

米も研げるし、味噌汁も作れる。

魚も焼ける。

俺は姫に言われるままに米を研ぎ、大根の皮を剥き、豆腐を切った。

味付けは姫がしてくれた。

俺たちは向かい合わせで食べ始める。

食べながら、姫が言った。

「課長、明日も来ていいですか?」

「は?」

「課長、暇でしょ?」

と姫が笑う。

「失礼だな。
俺だって、それなりに忙しいんだ。」

「そうなんですか?
明日は、何するんです?」

「……… 昼寝。」

「ぷっ
やっぱ、暇やないですか。
うち、来てもいいですか?」

「ふっ
しょうがないな。」

昨日、あんな事があったから、嫌われたらどうしようとおもったけど、変わらずに懐いてくれてる。

かわいい奴。
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