残念な王子とお節介な姫
結局、姫は金曜まで、毎日うちに来て晩ご飯を食べた。

ご飯を食べて、とりとめのない話をし、最後は俺が姫の家まで歩いて送っていく。

姫は、大丈夫って言うけど、姫が家に着くまで心配で落ち着かないから、送っていった方が返って気が休まる。

往復で1時間弱のウォーキングだと思えばいい。

普段運動なんてしないんだから、いい機会だ。


そんな風に過ごしてたら、結局、週末も姫はうちにやってきた。

昼前に来て、買い物に行き、一緒に料理をする。

食後にお茶を飲みながら、姫のおしゃべりを聞く。

毎日、顔を合わせて喋ってるのに、よく話の種が尽きないものだ。

しかも、それを聞いているのが、全然、苦にならないんだ。

元来、女が苦手な俺が、だ。

姫は、余程、話し上手なんだろう。
< 179 / 262 >

この作品をシェア

pagetop