残念な王子とお節介な姫
「……… 自覚したところで、俺はどうすれば
いいんだ?」

「ほんと、残念な王子だな。
『好き』って言えばいいんだよ。
振られる心配はないから、安心して告れ。」

「いつ? どこで?」

「お前、伊藤の時から、全然変わってないな。
今回は、この部屋で言えばいいんだよ。
姫じゃなくて、ちゃんと名前を呼んでやれ。
それだけで、伝わるから。」

「……… 」

「じゃ、シャワー借りるぞ。
お前は、好きなだけ姫ちゃんを眺めてろ。」

「春山!」

「ん?」

「ありがと。」

「ばーか。」

春山は、手をひらひら振って風呂へ行ってしまった。
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