残念な王子とお節介な姫
「ほら、さっさと姫ちゃん、寝かしてこい。」

春山に言われて、俺は姫を抱き上げて寝室へ連れて行った。

ベッドに寝かせて、姫の顔を見る。

くすっ
無防備な顔をして寝てるな。

俺は姫の頭を撫でた。

かわいい…




「いつまで、そうしてんだよ。」

突然、後ろから声がして振り返った。

「お前が姫ちゃんに悪さしないように
見張りについてきたら、ずっと姫ちゃんの顔を
眺めて頭を撫でて…
お前、それでよく、好きじゃないなんて
言えるな。」

「いや、これは… 」

「かわいいと思ってたんだろ?」

「………実際、かわいいだろ。」

「他の男の隣に座らせたくないくらい大事
なんだろ?」

「……… 」

「他に彼氏ができたら、嫌なんだろ?」

「……… 」

「自覚しろよ。
そういうのを、『好き』っていうんだよ。」
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