残念な王子とお節介な姫
これは、先に起きて朝ごはんとか作った方がいいパターンやろか。

そんな事を考えてたら、課長が寝返ってうちの方を向いた。

めっちゃかっこいい。

本人はおっさんやゆうけど、そんな事全然あらへん。

ピカピカの王子様やわ。

うちが思わず見惚れてたら、課長の手が伸びて来て、ぎゅって抱きしめられた。

あかん!!
これ、前もあったあかんやつやわ。

元カノさんと間違えてるんや。

どうしよ?

なんとかここから抜け出さんと。

うちが、なんとか腕の中から抜け出そうともぞもぞしてたら、課長がゆうた。

「姫…行くな。」

へ?
今、姫、ゆうた?

「姫は俺の隣にいろ。」

……… なんや、これ?

課長を見るけど、課長はスヤスヤと眠ったままで…

これ、寝言?

どうしよ?

めっちゃ嬉しいんやけど。

あかん。
嬉しすぎて、泣きそうやわ。

うちは、課長の腕から抜け出すのはやめて、そのまま課長の胸に頭を預けた。

ほんまに幸せや。
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