残念な王子とお節介な姫
「あ、いや、その…」

うろたえる課長の顔が赤い。

ほんまに?
ほんまに、そんな風に思ってくれてんの?

今朝は、なんや嬉しい事だらけや。

うちは思わず、課長に抱きついて、

「あとにします!」

てゆうてた。

それから、そのまま飛び起きて、顔を洗うと、朝ごはんを作り始めた。

おかずは、昨日のおつまみが残ってるから、ご飯と味噌汁だけ。

うちがお米を研ぐ横で、課長が鍋に湯を沸かしてくれる。

「何入れる?」

課長に聞かれて、

「先週の白菜、余っとったんちゃいます?」

て答えると、

「ああ、そうだった。」

と冷蔵庫から出してくれた。

うちが白菜を洗っとる間に、いつもの油揚げやら豆腐やらを用意してくれる。

「俺が油揚げを切るから、姫、白菜ね。」

「はい。」

2人で並んで具材を切る。
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