残念な王子とお節介な姫
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18時半。

俺たちは会社を出て、予約しておいたフレンチレストランへ向かった。

シャンパンを注いでもらい、乾杯をする。

「ん、おいしいです!」

姫が、一口飲んで、言った。

確かに、口の中いっぱいに広がる香りがなんとも言えない。

俺たちは、おいしいコース料理を堪能した…はずだった。

少なくとも、姫はきっと満足してくれたと思う。

だけど、俺は緊張で、味なんてほとんど分からなかった。

俺たちは、2人で俺の部屋に帰った。

姫は、部屋に入るなり、

「はぁ! お腹いっぱい。
苦しいくらい。」

と言って、ソファーに座った。

だから、俺も姫の隣に座る。

心臓が口から飛び出るんじゃないかというくらい、ドキドキしてる。
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