残念な王子とお節介な姫
風呂から上がり、俺は奈々の隣に座る。

髪を乾かしながら、奈々を見る。

かわいい。

「課長。」

「何?」

「あんまり、見んといてください。」

「え?」

「あの、そんなに見られると
恥ずかしいので…」

奈々がもじもじと俯きながら言う。

「くくっ
それは無理。」

「え?」

「奈々がかわいすぎて、目が離せない。」

俺が正直に言うと、奈々は一気に頬を染めた。

髪を乾かし終えた俺は、ドライヤーを片付けて奈々の所へ戻る。

「奈々、おいで。」

俺が奈々の手を取ると、奈々は素直に立ち上がって、俺についてくる。

寝室に入り、俺は奈々を抱きしめた。

「奈々、愛してる。」

俺がそう囁くと、奈々は遠慮がちに俺の背中に腕を回した。

「うちも、課長のこと…」

俺は、全部聞く前に、奈々の唇を塞いだ。

ずっと、こうしたかった。

奈々の隣で眠りながら、ずっと自分の気持ちと自問自答してた。

で、思ったんだ。

奈々が大切だって。

この気持ちは、もう揺らがないって。

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