残念な王子とお節介な姫
シャワーを終えて、2人で夕飯を食べる。

「海翔、仕事、大変?」

俺は、2週間前に、「なんで会いに行っちゃダメなの?」と結に聞かれて、ついに本当の事、残業漬けである事を話した。

「うん。
大阪は今、SEが23人しかいないんだけど、
残業200時間越えが5人いる。
他の奴もみんな100は越えてる。
俺も残業代出ないのに、200近くあるはず。」

「凄いね。まるで地獄じゃない?」

「うん。行く前から分かってたから、覚悟は
してたんだけど、ここまで酷いとは思って
なかった。」

「え!? 知ってたの?」

「うん。最初から、そういう条件での栄転
だったから。」

「なんで?
そんな状況なら、ベテランの課長さんを配置
した方が良かったんじゃないの?」
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