残念な王子とお節介な姫

それからも、俺は、休日返上で働き続け、東京へ帰る事は一度もできないまま、ひと月が経った。


6月9日(日) 朝

会社に着いた直後、結から、メッセージが届いた。

『大切な話があります。
今から、新幹線に乗るので、会える場所を
連絡してください。』

大切な話?
なんだろう?

『ごめん、今日も休日出勤。
お昼頃、終わると思うから、マンションの
前の喫茶店で待ってて。』

俺は、急いで仕事を終わらせて、結の元へ向かった。

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