残念な王子とお節介な姫
外堀を埋めたい俺は、仕事の合間に招待状を作り、印刷する。

招待状を送ってしまえば、後戻りはできなくなる。

宛名は筆ペンで手書きするらしい。

既婚の部下が言ってた。

俺は字があまり上手くない。

結に負担はかけたくなかったが、それだけは結に頼んだ。

引き出物は、俺の両親に任せ、BGMはエレクトーン奏者に任せた。

普通、花嫁はいろいろこだわりたい物だと思うが、結は全然こだわらなかった。

むしろ、無関心。

それでもいい。

結は俺と生きていく決心をしてくれたんだから。

それで十分だ。
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