愛のない部屋
それから広間で夕食をとり、タキたちの部屋でお酒を飲む。
「トランプやるか~」
タキが大きめのボストンバックの中からトランプを取り出した。
「うわぁ、修学旅行みたいで楽しいかもっ」
舞さんもトランプに賛同する。
「峰岸、なにやりたい?」
タキはカードをシャッフルしながら、新聞を読んでいた峰岸に問う。
「俺もやんの?」
「もちろん」
嫌そうに新聞を畳むと、
"じゃぁ、ババ抜きで。"
なんて平凡な提案。
「罰ゲームは、秘密の告白な」
「嫌よ」
カードを配りながら楽しそうに言うタキに、抗議する。
秘密は打ち明けないから、秘密のままでいられるのに。たかがトランプの罰ゲームで、大切なことを告白したくない。
「初恋の年齢とか、軽いもので良いからさ。賭けるもんがねぇと、ゲームじゃねぇよ」
「私、負けないよ」
舞さんも乗り気のようで、配られたカードを持った。仕方なく私と峰岸も、渋々頷いた。
舞さんが楽しんでいるなら、まぁいいかって。
ババ抜きが始まる。