愛のない部屋
恋愛相談を受け、ましてやアドバイスする立場にないのに出過ぎたことを言ってしまった。
そもそも私は大した恋愛経験のない女だ。
「…すみません」
「いえ。私、自信がなくて。きっと沙奈ちゃんに励まして貰いたかったのだと思います。年上なのに情けないですよね」
「好きだから自信がなくなる気持ちはよく分かります。私も昔、憧れの彼を追い求めて大失敗しました」
こんな風にアノ人のことを過去のことのように話せるなんて、私は本当に舞さんを信頼しているんだ。
「だから舞さんには後悔をして欲しくありません。私がこんなこと言うのはおかしいと思いますけれど。タキ以上に魅力的な男性になんて、そう出逢えませんよ?心につっかえているものがあるなら、今すぐにでも取り除いて来て下さい」
私とディナーをする暇があるのなら、1秒でも早く不安を取り除くために行動して欲しい。