愛のない部屋


「昨日、峰岸は帰って来なくて。話も聞いて貰えなくて。本当に私、嫌われちゃったみたいです」


何処に泊まったの?
私が寝れないでアナタのことを考えていたのに、峰岸は……何処でなにをしていたの?


マリコさん、と――なんて言わないよね?




「だから目の下にクマが出来てるんだ……可愛い顔が台無しだね」


可愛い顔、それを否定する余裕すらなかった。


「大丈夫?今夜、話を聞いてやる」


篠崎は私の頭を乱暴に叩くと、陽気に言う。


「俺様がいれば恋愛なんてものは、絶対に上手くいくのさ」


「篠崎さん……」



私を励ます言葉が優しく降ってきた。



「もう一度、峰岸と話してみます。それでどうにもならなかったら、篠崎さんを頼っても良いですか?」



「俺はいつでも、準備オッケーだよ」



力強い味方がいてくれることに、救われる。



「俺の保証付きだから、大丈夫だよ」


「保証?」


「君たちが壊れることはない、ってこと」


「篠崎さん……」



強い言葉に、何度も頷いた。


< 411 / 430 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop