愛のない部屋
「おまえは……どうなんだ?」
家までもうすぐという所で、峰岸は唐突に尋ねて来た。
「なにが?」
「……病気がうんたらかんたらの話だよ。おまえは、どうする?」
「……」
私の答えを峰岸が気にしてくれていることが嬉しくて。握られた手を絡ませて、恋人繋ぎへと変えた。
「先生は病気で、私に迷惑を掛けたくなくて別れを告げたそうなの……峰岸は、迷惑?私が病気だったら傍に居ちゃ駄目?」
「その先生とやらは結果的に死んでないわけだろ?大丈夫だ、奇跡は起こる」
「奇跡……?」
「おまえが病気になって辛い思いをしたとしても、それを吹き飛ばすくらい笑わせてやるよ。俺がおまえの隣りに居てな」
「ありがとう」
先生の答え、私たちが出した答えの
どちらが正解なのかなんて、永遠の謎だろうけど。
その答えを、私たち自身で証明していけば良い。
私は峰岸と、ずっと歩いていくのだから。
この絡められた指を、放すことなんて
二度とできそうにない……。