桜恋色
わたしの言葉に頷いた椎名くん。



「ほら」



椎名くんが指差したのは、ガラスのショーウィンドーに映るわたしたちの姿。




「俺たち、高校生に見えますよ?」



そう言って笑ってくれるから、



「ホントだっ」



わたしもつられて頷いちゃう。



端から見たらやっぱり中学生と大学生に見えるのかもしれない。



でも、



並んで歩くわたしたちの間には、



これっぽっちも年齢の壁なんて感じられなかった。
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