貴方の背中

気が付くと23時を過ぎていた。


「ふぅ~」

磯崎も少しは残業してたけど、直ぐに
「今日は接待が…」


とかなんとかブツブツ言いながらいなくなった。


「サクちゃんお先に!あんまり遅くならないようにね?」

「ありがとうね。お疲れ様」

今日は金曜だから定時には皆帰って行った。

「23時過ぎか…後は家でするかな…」


今日は金曜日だから終電になると酔っ払いの多い電車になるから、終電より少し前に切り上げる。


CDを持ってPCの電源落として、電気とかポットとか確認して…紙コップにコーヒーを入れて守衛室に向かう。


コンコン

「はい」

出てきた守衛さんに いつものようにコーヒーを渡しながら

「遅くなってすみません。後の確認お願い出来ますか?」


「ああいつもありがとうね。サクちゃんのコーヒーは楽しみだよ。」

もし生きてたら父もこんな笑顔なのかな?

父と同じ年代の守衛さんの笑顔に少し切なくなる。


「気を付けて帰りなさい。」

「はい失礼します。」

会社を出ると少し風が冷たい。


駅に向かって歩いていると、車が止まった。

(…なんだろぅ)

警戒しながら行き過ぎようとしたら窓から

「こんな時間まで仕事してたの?送るよ」

「社長!?いえそんな…申し訳ないですから…」

「女の子を残業させてこんな時間に何かあってからじゃ遅いからね」

男性に慣れてないから上手くかわせない私はなかば無理矢理乗せられる。


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