Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
私だって、自分がなにをしたのかわからない。

「ほら、高鷹部長たちを待たせるわけにはいかないし?
さっさと着替えて行こう?」

早口で捲したて、どうにかその場を取り繕おうとする。

「そうだね」

曖昧に笑った春熙はそれ以上、突っ込んでこなくてほっとした。


寝室で水着に着替える。

……なんで私、あんなことしちゃったんだろ。

春熙がさっき、なにを求めていたのかわからないほど子供じゃない。

いままで触れるだけのキスしかしてこなかったのに、なんでいま、急になのかはわからないけど。

それに、みんなが待っているのにそんなことをしている場合じゃないから、断るにしても突き飛ばす必要はなかった。

でも。

――でも、春熙とその先に進むのが、酷く嫌だった。
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