Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「ご心配ありがとうございます。
けれど近々、籍を入れようと思っていますので。
式はまだ先にはなりますが」

おおーっとどよめく周囲とは反対に、一瞬、意味もわからず高揚した気分はすぐに萎えていく。

「ね、愛乃?」

「う、うん……」

とりあえず、笑っておいた。
笑うしか、できなかった。
この間は曖昧に終わったけどこれで、近いうちに春熙と入籍することになるだろう。


なんとなくぎこちない空気を残したまま、お昼ごはんのバーベキューがはじまる。

「これ、僕からの差し入れです。
皆さんでどうぞ」

「うぉーっ、ほんとにいいんですか!?」

春熙が置いた、クーラーボックスを開けた橋川くんは凄い勢いで春熙に詰め寄った。
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