Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
春熙の手が躊躇いがちに私の頬に触れるだけで、怖くてびくりと身体が揺れてしまう。

「ごめんな、さい。
よしのが、わるかった、からぁ。
ゆるしてぇ、はるくん」

小さな子供に戻って、泣きじゃくって春熙に許しを請うた。

「ごめんね、愛乃。
僕も悪かった」

転がっていたパーカーを拾い、春熙が私をくるんでくれる。

「いくら我を忘れていたとしても、愛乃の初めてを最悪の想い出にするところだった。
ごめんね、愛乃。
もう泣かないで」

私を抱きしめた春熙の手が、そっと涙を拭う。

「はるくんもう、おこってない?」

「怒ってないよ。
ごめんね、愛乃」

ふふっと笑った春熙が、瞬きしてまたぽろりと落ちた涙を拭ってくる。
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