Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
諦めなきゃ、全部、全部。
私には春熙以外を好きになる権利なんてないんだから――。


ベッドを出て着替える。

夜は浴衣。
白地に麻の葉柄と朝顔をあしらった大人っぽいのを選んできたが、もしかしたら高鷹部長と釣り合いたかったのかもしれない。

「夕飯、何時からだっけ」

携帯を手に、橋川くんに確認しようとしたけれど、奪われた。

「あいつらとは一緒に食事しない。
いまから帰るから」

「……どうして?」

私が春熙を怒らせたから?
でも眠りに落ちる前、許してくれたはず。

「早く帰って父さんたちに入籍の許可を取りたいから。
言ったでしょ、いますぐにでも籍を入れたいって」

「あ、……うん」

言っていた、そういえば。
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