Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
春熙はにこにこ笑って、そのまま座っている。

「その……」

「ん?」

どうしたの、とでもいうように春熙は私を見つめている。

「……どこで着替えたら、いい?」

ようやく問題に気づいたらしく、春熙はぱっと立ち上がった。

「ごめん、気づかなくて。
まだ恥ずかしいよね、寝室使って」

「ありがとう」

浴衣を手に寝室に向かう。

母屋は大正の建物だけど、春熙が使っている離れは彼が中学生になってから使うように建てられた。
だから寝室はベッドだし、建物自体、今風だ。

振り袖の帯を苦労してほどきながら、ため息が出る。

……まだ、ってことは将来的に、恥ずかしくなくなるって思っているんだよね。
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