Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
高鷹部長に呼ばれて前へ出る。
小さく深呼吸して姿勢を正し、まっすぐに前を見た。
「急だが、愛乃は本日付で退職することになった。
かねてより予定されていた、東藤本部長の結婚が正式に決まったそうだ。
せっかくここにも馴染んで、橋川よりも役に立ちそうだと喜んでいたのに残念だ」
「高鷹部長、いつもオレに酷いです」
橋川くんがいじけた声を上げ、笑いが起きる。
私も一緒に笑っていた。
「まあ、寿退社とめでたいんだから、笑って愛乃を見送ってやろう」
小さく頷いた高鷹部長に促され、一歩、前へ出る。
「こんなに急に辞めることになって、本当に申し訳ありません。
ここでは皆さん、私を専務の娘や東藤本部長の婚約者としてではなく、ただの香芝愛乃として扱ってくださり、本当に感謝しています。
ここでの時間は私にとってかけがえのないものになりました。
本当に、ありがとう……」
胸がつかえて声が出ない。
小さく深呼吸して姿勢を正し、まっすぐに前を見た。
「急だが、愛乃は本日付で退職することになった。
かねてより予定されていた、東藤本部長の結婚が正式に決まったそうだ。
せっかくここにも馴染んで、橋川よりも役に立ちそうだと喜んでいたのに残念だ」
「高鷹部長、いつもオレに酷いです」
橋川くんがいじけた声を上げ、笑いが起きる。
私も一緒に笑っていた。
「まあ、寿退社とめでたいんだから、笑って愛乃を見送ってやろう」
小さく頷いた高鷹部長に促され、一歩、前へ出る。
「こんなに急に辞めることになって、本当に申し訳ありません。
ここでは皆さん、私を専務の娘や東藤本部長の婚約者としてではなく、ただの香芝愛乃として扱ってくださり、本当に感謝しています。
ここでの時間は私にとってかけがえのないものになりました。
本当に、ありがとう……」
胸がつかえて声が出ない。