Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「携帯を置いていく」

「え、それだけですか?」

確かにGPSのついている携帯を置いていけば、現在地を知られないけれど……。
でも会社を出るときに守衛さんに会いますよね?
守衛さんからもどうも、父や春熙に連絡が行っているようなんですが……。

「まあ、任せておけ」

高鷹部長は右頬だけを歪め、いつかみたいにいたずらっ子のように笑った。


高鷹部長に連れられて、社内を歩いていく。
無駄に広い社屋は、いまだに私の知らないところでいっぱいだった。

「ここから出る」

「ここ、ですか……?」

人気のない倉庫のようなところのさらにその奥に、その扉はあった。
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