Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「結婚、おめでとう」

「……ありがとうございます」

どうしてあなたが、それを言うのですか。
私があんなに、春熙との結婚を嫌がっているのを知っているのに。

「その、やり残したことはないか」

「……ありません」

どうでもいい、どうでもいい、どうでもいい。
もうすべて、どうでもいい。
いまこの瞬間に、世界が滅びたってかまわない。
いや、むしろその方がいい。

「本当に?」

「……どうして、そんなことを聞くんですか」

きっといま、私は春熙と同じ顔をしているだろう。
だって彼のレンズに映る私は、あの感情のない、硝子玉の瞳で虚ろに彼を見ている。

「東藤から君が、この結婚に大賛成で喜んでいると聞いた。
君の気が変わって本当にそうなら、俺はなにも言わない。
君の結婚を祝おう」
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