Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
私が我慢すれば、征史さんは無事でいられる。

『嬉しい、かな。
愛乃の最初で……最後の男になれるのが』

征史さんは笑ってくれたけど、その願いは叶わなかった。

春熙に蹂躙される、私の身体。
感情を殺して、ただただ春熙のなすがままになる。


「……こほっ」

気がついたら、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
抑えきれずに悲鳴を上げ続けた喉が痛い。

「会社に行ってくるからいい子にしててね」

薄目を開けた先では、春熙が手際よくネクタイを結んでいた。

「食事は坂巻に運ばせるから。
心配しなくても早く帰ってくるよ。
まだ愛乃を可愛がり足りないからね。
今日は会社に行きたくないくらいだよ」

ちゅっ、私にキスして春熙は出ていった。

身体が酷くだるくて指先すら動かせない。
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