Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「はい」

私が片付けなければ問題は、多い。


「春熙坊ちゃんは誰ともお会いにならないそうです」

「そう……」

坂巻さんからの相変わらずの返事。
何度、訪ねてきてもそうだ。

〝会いたくない〟

これが、春熙の答え。
春熙はあれからすぐに会社を辞めて家に閉じ籠もっている。

籠に閉じ込められていたのは春熙も一緒だ。

生まれたときから実の父親の期待を一身に背負って。
私の兄がいなくなってからは私の父の期待をも背負い。

いくつも、やりたかったことを春熙が諦めたのを知っている。

そんな春熙の、唯一の心の拠り所が自分だったのも。


早く春熙にも、私と一緒で籠から出てきて自由になってほしい。
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