Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
後悔は絶対にしない。

――したくない。


父とも春熙ともまともに話ができないまま、結婚の話は進んでいく。

親類に出した招待状は、一通も戻ってすら来なかった。
父にも日時と場所は伝えたが、返事はない。

それでも、席は準備してもらった。
父には絶対に、来てもらいたかったから。

新生活は楽しいことがたくさんだったが、同じくらい解決できない過去の問題を抱えている。
そのどれもひとつも解決できないまま、――征史さんとの結婚式の日が来た。



ウェディングドレスを着て鏡に映る私は、幸せそうじゃなきゃいけないのに酷く不安そうに見えた。

「愛乃?」

様子を見にきた征史さんが、困った子だねとでもいうように笑った。
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