Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
視界に映る私の手は、お風呂上がりだからとは思えないほど、真っ赤になっている。

「さっ、僕も入ってさっぱりしてこようかな」

くすりとおかしそうに笑って、春熙は私を膝から下ろした。


晩ごはんは創作和食だった。
食べるのがもったいないほど美しく盛り付けられた料理が、ひと皿ずつ運ばれてくる。

「今週はいろいろあって疲れただろうけど。
今日はゆっくりして」

「うん、ありがとう」

春熙が注いでくれたお酒をくいっと一息に飲み干す。
地酒だというこの日本酒は、さらりとして口当たりがよく、まるで水のように入っていく。

「困ったことがあったらいつでも相談して。
部署を変わりたくなったら、高鷹部長がなんと言おうと僕が変えてあげるから」

「……うん」

きっとこれは、春熙の優しさなんだと思う。
< 57 / 340 >

この作品をシェア

pagetop