Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
でもその優しさはいつも、私にとって――酷く重い。
ちょうど出てきた、塩焼きの鮎の内臓部分を食べたせいか、口の中に苦いものが広がった。

食事が終わり、また春熙の膝の上に抱き上げられた。
彼は私をこうやって、お気に入りの大きな熊のぬいぐるみのように抱くのが好きだ。

「母さんの喪も明けたし、そろそろ愛乃との結婚式の日取りも考えないとね」

「……うん」

曖昧に笑って春熙に答える。
この話題には……あまり触れてほしくない。

「前は母さんの希望だったから教会で挙げるようになってたけど、今度は気にしなくていいもんね。
僕は神前式がいいと思うんだ。
いつも着物、愛乃によく似合ってるし」

「……うん」

「あ、でも、皇族みたいに十二単とかもいいよね。
んー、でも、愛乃のウェディングドレス姿も見てみたいし……。
いっそ、教会と神社と、二回式を挙げようか」

「……うん」
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