Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
楽しそうに話している春熙は、私の微妙な反応に気づいていない。

「愛乃はどうしたい?」

春熙が期待を込めた目で、私の顔をのぞき込んでくる。

「神前式にして、ウェディングドレスは写真でいいんじゃないかな」

「んー、写真ねー」

真剣に悩んでいる春熙に笑いかけながら、――心の中でため息をついた。

「おやすみ、愛乃」

「おやすみ、はるくん」

ちゅっと唇を重ね、同じベッドに入る。
春熙は後ろから私をぎゅっと抱き枕のように抱きしめ、すぐにすーすーと気持ちよさそうに寝息を立てだした。

春熙とは生まれたときから婚約者だ。

でも春熙は――私を抱かない。
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