Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
もう私だって子供じゃないんだから、男がそういうことをしたいイキモノだって知っている。
なのに私を抱かない春熙はどこでそういうものを発散しているのだろう。

婚約者の私がいるからか、女性の噂を聞いたことがない。
別に、春熙がモテないとかいうわけじゃなく、学生時代はよく告白されたって困っていた。

まさか、私に操を立てるとかそんな理由でまだドーテイだとしたら、――重すぎる。

けれど春熙が私を抱かないのは、私にとっては安心できてよかった。

別に春熙に抱かれるが嫌なわけじゃない。
近い将来、結婚すれば嫌でもそうするしかないわけだし。
それに、春熙が嫌いだというわけでもない。
春熙のことは好きだし、愛しているといってもいい。

でもそれは――家族として、だ。

兄ではないけれど、婚約者という家族。

ずっと私はそういうふうに春熙を見てきた。
私が持っているこの感情は、恋愛としての愛ではないと断言できる。
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