Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「はい、楽しかったです」

父の機嫌はいまだに悪いのかと思っていたが、そうでもなさそうでほっとした。

「どこに行ってきた?
なにを食べた?」

「ええっとですね……」

私に応える間を与えないかのように聞いてくる父に、苦笑いしながら旅行であったことを話す。
その間に永沼さんがテーブルの上にほどよく冷やしたワインと、チーズやクラッカーといった軽くつまめるおつまみを準備してくれる。

「これはあのあたり限定の、しかも幻とまで言われるほど手に入らない奴じゃないか!」

ワインのラベルを見た父は、大興奮だ。

「よく手に入ったな!
ありがとう、愛乃」

どうでもいいが、ぎゅーっと抱きついて顔を擦りつけてくるのはいい加減、やめてほしい。

「苦労しただろう?」
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