Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
私もグラスを置いて姿勢を正し、まっすぐに父を見つめ返した。

「お父様やおじさまの方針に反対しているのは知っています」

「ならどうしてだ!」

ガン!と父がテーブルを叩き、カシャンとグラスが軽く跳ねた。
一度俯いて小さく息を吐き、強い意志を込めて父を見つめ返す。

「でも彼は私を特別扱いしません。
他の人たちも。
だから私は、あそこで自分を試してみたいんです」

いままでこんなふうに、父と話したことなんてなかった。
いつも諦めて、父の言うとおりにしていたから。

「そういう環境がいいというのなら、私が準備してやる。
そこで自分を試したらどうだ?」

相変わらずな父に、心の中でため息が出る。
父が準備した環境ということは、表だって特別扱いされなくても、結局は陰でされるというのにわかっていない。

「私はあそこがいいんです。
はるくんも許してくれました」

「うっ」
< 67 / 340 >

この作品をシェア

pagetop