Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「はい、すでに」

高鷹部長の声に、岩岡課長ができあがっていた資料を机へと持っていく。

岩岡課長と杉原課長は同期、らしい。
けれど神経質ですぐに人に当たっていた杉原課長と違い、岩岡課長は品のいい執事のような佇まいがある。

「じゃあ、行ってくる」

「いってらっしゃいませ」

受け取った資料を左手で脇に抱え、ジャケットを右肩にかけて掴み、高鷹部長は部屋を出ていった。

今日は午前中に会議、昼食を兼ねた会合、午後は工場視察で帰ってくるのは夕方らしい。

噂通り、多忙な人だ。

そんな彼の時間を数分とはいえ、無駄にしてしまった私はやはり怒鳴られても仕方なかったと思う。


ひたすら、教えられたとおりにデータを打ち込んでいく。
入社してすでに一年がたっているとはいえ、総務部でなにもしてこなかった私はもちろん、新入社員扱い。
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