Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「その……」

「どうした?」

言い淀む私を高鷹部長は怪訝そうに見ていたが、すぐに理由に気づいたようで僅かに眉をひそませた。

「……香芝専務か」

「……はい」

総務部では歓迎会などなかった。
飲み会自体はときどきあっていたようだが、誘われたことは一度もない。
きっと父が怖かったからだろう。
それにそもそも、父が飲み会に出席など、許してくれようはずがない。

「君はどうしたい?」

「私、ですか?」

参加したいに決まっている。

総務部の人たちはみんな私によそよそしく、たとえ誘われたとしてもそんな気分になれなかっただろう。
でも、働きはじめてまだ二日目だけど、ここは酷く居心地がいい。
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