Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
廊下を歩く人たちが道を譲ってくれるが、いつもと違うのは私たちが通り過ぎた後、例外なくひそひそと近くの人と話しているということ。

「少し早いからな。
近くで時間を潰そう」

会社を出てすぐに、高鷹部長はタクシーを拾った。
押し込められるように乗った途端、携帯が着信音を奏でだす。

「誰からだ?」

「父からです」

出ようかどうしようか悩んでいるうちに高鷹部長の手が携帯を奪い、勝手に出てしまった。

「高鷹です」

なんと言っているかは聞こえないが、父の怒鳴り声が漏れ聞こえてくる。

「愛乃さんは本日、経営戦略部の歓迎会に出席です」

高鷹部長は愉快そうに笑っているけれど……からかって楽しんでいるのだろうか。
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