Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
いや、むしろ私が高鷹部長の名前を出すたびに、機嫌が悪くなっている気がする。

「待てよ?
会社を出なければ問題ないんだよな?」

「それはそうですけど」

「よし、わかった」

にやっと口もとだけで笑った高鷹部長はなにかを企んでいる、人の悪い顔をしていた。



週末の金曜日は、残業を命じられた。

もちろん、父も春熙もいい顔はしない。
けれど残業は立派な仕事なので、渋々だけど許可してくれる。
ただし、終わるまで待っているけれど。

「愛乃ちゃん、早く、早く」

「ねえ、どこ行くの!?」

残業だって聞いていたのに、終業の鐘が鳴ると同時に片付けをさせられた。
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