Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「わかった」

どうでもいいですが、さっきから私を、子供みたいに抱き上げるのはやめてもらえないでしょうか……?

「うん。
……ごはん食べないで待ってたから、お腹ぺこぺこなんだよ。
もう家には愛乃と食べて帰るって連絡入れちゃったし、付き合ってよ。
お茶漬けくらいなら入るでしょ?」

「ごめん、連絡したらよかったね。
でも、怒られるって思ったから……」

春熙には申し訳ないことをしたと思う。
わざわざ待ってくれているのに、私は楽しんで。

「いいよ、どうせ高鷹部長が強引に決めたんでしょ。
それで、付き合ってくれる?」

「もちろん!」

春熙に肩を抱かれて部屋を出る。
このときは社内だったら飲み会出席を認めてくれて、嬉しかったのだけれど――。
< 98 / 340 >

この作品をシェア

pagetop