夜の世界に舞う


次に向かうのは、花屋。

奏の、元には沢山の花があった。
だけど、どうしても渡したい花がある。



花屋さんには沢山の花があって、どれも可愛くてどれも綺麗。


「おっちゃん、ごめんね。頼んでたやつ出来そう?」

「エルちゃんの為に可愛いの作ってるよ!」


花屋さんには、いつもお世話になってる。
お客様の誕生日や、キャストの誕生日など。

「いつもありがとう。」

思っていたよりずっと可愛く仕上げてくれていて顔が緩む。

「でも、珍しいね。いつもは向日葵とカスミソウの花束が多いのに、ヒアシンスの花で花束って。おばちゃん今まで作ったことなかったよ。」


「私もヒアシンスなんて初めて頼んだよ、無理言ってゴメンね。」

「全然、なんでも頼んでよ?おばちゃんエルちゃんの為ならなんでも作れそうだから。」

そーいって笑い飛ばしてくれる、おばちゃん。


中洲で働いてると、、
"えっ?"って引かれることが多い。

だけど、中洲には中洲にしか味わえないものもある。

< 66 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop