夜の世界に舞う
ソファーに腰を掛け華に
「抜けててごめんね。それより、こんなにシャンパン入れて大丈夫?」
私の質問に反応したのは華じゃなくて、幸太郎君だった。
口で言うのではなく、目で…
"いらん質問すんな"
さっきまでの猫みたいな感じではなくて、
どっちかと言うと虎のような感じで。
華も相当酔っ払ってるらしく、目がトロンとしているし。
「ねえ、華?大丈夫?」
「ぅ〜ん。」
「華の伝票みていい?」
「ぃーょー。」
幸太郎君の近くにあった伝票を手に取り見ると、
驚く事に短時間でシャンパンを7本頼んでいた。
「え。華これお金あるの?」
「んー?多分大丈夫かなー?わかんない。」
「華、ちょっと水飲んで外で酔い冷ましておいで。」
「幸太郎と離れたくないよー」
幸太郎君に甘える華に目で訴える。
"酔い覚ませ"
「んー。もう、エル嫌い。」
そう言うと幸太郎君の肩に隠れた。
たしかに華が楽しかったらそれでいい。
けど、流石に使った金額も分かっていない。
払えるかもわからない。
そんな状態でまたお酒頼むの?
ホスト側からすれば最高な客かもしれない、
けど、自分の生活大丈夫なの?
華が心配だったから言ったのに嫌われるとは。